今日は、私には認知のずれがあるというお話をしようと思います。
今年に入って診断された自閉症スペクトラム障害とも関連していることなのですが、私は一般的な人とは大きく認知がずれることが多いです。
この認知のずれがあるために、普通に仕事をするのが困難で、今まで何度も解雇されてきました。
正確に言うと、解雇というよりは雇止めですね。
去年の9月から仕事を休業していますが、それまでは派遣社員と在宅でできる仕事をしていました。
派遣社員を選んだのは、自分のペースで週3日、7時間労働など、柔軟な働き方を選べるからということと、治療していた精神疾患の病状の回復に合わせて、少しずつ自立を目指すうえで、いきなりフルタイムでの仕事に就くのは困難だったからです。
フルタイムではない、パートタイムのような柔軟な働き方ができるのは、精神疾患の回復に合わせて働きたい私にはメリットがあったのですが、それすらも契約更新の時期前に、もう来なくてもよいと言われることばかりでした。
派遣してくれる会社にお願いして次の派遣先を見つけてもらっても、そこでもまた更新前にクビになったり。この繰り返しで、ここ数年は生活してきました。
なぜ、何度も何度も契約の更新期間を待たず、クビになってしまうのか?
しばらくは、その原因がわからず困っていたのですが、今の主治医との出会いで道が開けましたね。
仕事をしていても、求められるものに応えることができない。
上司の指示が何を意図しているのかわからない。
私自身はベストを尽くしているつもりでも、周囲はそういう風に受け取ってくれない。
周囲との認識のずれがあり、求められる業務がこなせない。
この点から、主治医は自閉症スペクトラム障害を疑ったようです。
主治医に勧められる通りに検査を受けた結果は、自閉症スペクトラム障害と診断された訳ですが、私にとっては良いことずくめなのだと思っています。
自分を正しく知ることができれば、対策を立て、向かうべき方向が見えてきます。
そうは言っても、自閉症スペクトラム障害があり、自分のペースでしか動けない、こだわりが強く物事に集中し過ぎてしまうといった特性がある私は、今後は一般的な業務には就くべきではないと、主治医もアドバイスしてくれています。
そして、仕事をするうえで最も困難なことは、周囲の人と認知のずれがあることです。
仕事の指示が何を意図しているのかわからない。
周囲がAと認識しているものが、私にはBと認識されてしまう。
同じものでも、Aと認識するかBと認識するかでは大きな隔たりがあります。
このような隔たりがあれば、当然業務にも支障を来す結果となり、もう来なくてもよいとクビを切られる結果に繋がっていたのでしょう。
仕事の面では、主治医とも相談し障害者枠で探すことになりました。
ただ、障害がある以外にも、以前治療していた双極性障害がまた悪化しつつある兆しがあり、不安に駆られる強迫性障害の症状も出てきています。
仕事がすぐに見つからない場合や、治療を優先させなければならないかも知れない場合に備えて、生活保護の申請も予定しています。
今の私に必要なものは、生活の基盤を安定させ、そのうえで仕事を探したり治療を受けることだと主治医は的確なアドバイスをくれますから、全幅の信頼を寄せています。
仕事の面では、なんとか私らしい道を進めそうなのですが、認知にずれが生じる原因が自閉症スペクトラム障害という生まれながらの障害にあるとすれば、障害は疾患と違い薬を飲んで治すようなものではありませんから、一生このまま付き合っていくものになります。
一生このまま、周囲の一般的な人と認知のずれがあるまま過ごすことになる。
これは、なかなか大変なことに思われそうですが、私自身はそう深刻に考えていません。
例えば、今、自分の携帯電話の契約のことで確かめたいことがあるのですが、携帯電話の契約は料金プランなど複雑な内容であったりします。
しかも、コールセンターのオペレーターと電話だけで用件を完了させなければならない。
一般的な認知とずれがある私にはハードルが高い話であり、通っている病院で相談したところ、ケースワーカーさんが付き添って一緒に話を聞いてもらえることになりました。
そうです。福祉を上手く利用すれば、障害があっても乗り越えていけることがあります。
今までは、自身の障害に気付かず、無理をして一人で頑張り過ぎていましたが、これからは本当の自分に正直に、お力添えを頂きながら進めばよいのだと考えています。
今の社会は複雑になり過ぎています。
健常者の方でも何がなんだか。わからなくなることは少なくないのではないでしょうか。
この複雑怪奇な世界で、一般的な健常者の方と認知のずれがある私が、大切な契約の話を聞き漏らしたり、違う意味で受け取ってトラブルに巻き込まれる危険性は、普通の人よりずっと多いです。
しかし、だからと言って前に進むことを恐れる訳にはいきません。
目が悪くなれば眼鏡をかけ、虫歯を抜けば作り物の歯を入れて、耳が遠くなれば補聴器を入れる。
これらのことと同じように、認知のずれがあり一人で話を聞くのに不安があれば、誰かに付き添ってもらう。
何かの能力が足りなければ、それを補って生きていけばいい。
そう考えて、私にできることをできる範囲で、マイペースで進んでいこうと思います。