今日は何軒か銀行を回っていました。
もうすぐ生活保護を申請するのですが、保護を受けて生活してらっしゃる方、或いは保護を受けていたことがある方は、おわかりかと思います。
生活保護を申請する時は資産などの審査があり、保護を受けようとする者の銀行口座に調査が入る場合があります。
私も生活保護を頂いて生活していたことがあるので、そのあたりの事情は心得ています。
生活保護は、精神疾患の回復に伴い働くことができるようになったので、一旦卒業したのですが、今回また申請することになりそうです。
回復傾向にあった双極性障害が悪化しつつあり、強迫性障害の調子が悪い日も目立ってきました。
それに加えて、自閉症スペクトラム障害という障害があることがわかり、元気に働きに行けていても、十分に能力を発揮できず解雇されたりもしてきたので、この障害を抱えて働くのは困難なようです。
主治医も、無理せず障害者枠での就労を目指してはどうかと勧めてくれますし、仕事を焦って探すよりも、じっくり腰を据えて仕事探しをした方が良いとアドバイスしてくれています。
じっくり仕事を探すとなれば、生活費が底をつき路頭に迷う恐れがありますから、この点においても主治医は、生活の基盤を安定させて仕事探しができるようにと、生活保護の申請についても賛成し、応援してくれています。
このような状況にあり、生活保護の申請が現実味を帯びてきたので、自分の銀行口座を確認しておこうと考え、心当たりのある銀行に古い通帳を持って出かけました。
確認してみると、ほとんどの口座は解約済みで、一つだけ休眠状態だとわかりました。
前置きが長くなりましたが、滅多に外出しない毎日を過ごしている私にとって、対応してくれた銀行員の方のような、堅いお仕事に就いている方と接点を持つことは、ある意味新鮮でした。
私は去年の9月に、それまで就いていた仕事を辞めて休業に入りました。
この休業中に、自閉症スペクトラム障害が診断されたり、双極性障害が悪化してきたりと、思いがけない方向に向かっています。
再び生活保護を申請するというのも、想定外でした。
今はまだ仕事を休業中ですが、今後は仕事に就けたとしても障害者枠での就労になりそうです。
思えば、私はちゃんと働いたことがほとんどありません。
大学を卒業して民間企業に就職したのですが、9ヶ月で退職しています。
退職の理由は、入社前に聞いていた仕事内容と実際に現場に出てする仕事の内容が違っていたからです。
新入社員の退職あるあるな話で、今の私だったらそんなことでは退職しないと思うのですが、その頃は20代でまだ若かったので、辞めて再スタートするなら早い方がいいと考えたんですよね。
その会社を退職してからは、フリーターをしていました。
社会人講師として家庭教師をしたり、ファミレスでホール係をしたりと、気ままに暮らしていました。
この気ままさが、私が求めていたものだったのです。
北海道大学の同級生の多くは有名企業に就職したり、公務員になって安定した生活を選ぶ人がほとんどでしたが、フリーターで気楽にやる方が私の性分に合っていました。
ただ、フリーターをしている間に精神疾患が悪化し、当時付き合っていた元夫が救いの手を差し伸べてくれたので、結婚して専業主婦になりましたね。
せっかく知名度のある大学、北海道大学を卒業しているのに、就職した会社はすぐに辞め、ふらふらとフリーターをして、専業主婦というお気楽な道に進みましたが、これこそが私の生きる道だったのです。
会社員よりも、フリーターや専業主婦の方が私の天職だと実感しましたね。
その後、元夫とは離婚しましたが、その頃精神疾患を治療していたこともあり、当時の主治医が生活保護の申請を勧めてくれました。
生活保護で生活の基盤を強固なものにして受けた治療が功を奏し、少しずつ自立を目指せるようになり、まずは時短勤務、パートタイム的な働き方ができる派遣社員に挑戦してみたのですが、働く時間や日数が柔軟に選べる派遣社員も性に合っていました。
このように、フルタイムのしっかりした仕事に就いたことは、ほとんどない私ですが、私はそういう風にしか生きられない人間なのでしょう。
北海道大学のような知名度のある大学を卒業していれば、女子でも男子と肩を並べて働ける道は開かれますが、私はそういう道は選んでこなかったのです。
自閉症スペクトラム障害が診断されたのは、今年に入ってからですが、自分の障害に気付かなかった頃から、私は自分に合った道を嗅ぎ分けて選んでいたのでしょう。
いろいろな人生がありますから、知名度のある大学を出て、フリーターになろうが専業主婦になろうがいいではありませんか。
私は自分の嗅覚を頼りに、向かうべき匂いがする方向に向かって生きてきて、幸せ者だと考えています。
今日、対応してくれた銀行員の方のように、堅い仕事をして生きる方とは対極にある生き方をしてきた私ですが、あの時就職した会社を辞めなかったらとか、フリーターになんてならなかったらとか、専業主婦にならなかったらとか、離婚しなかったらとか、そんな風に考えたことは一度もありません。
これまでの人生で後悔したことはありません。
それは、誰かから命じられてしたことではなく、自分自身が行きたい方向に行こうと選んで進んだから、そう考えられるのだと思っています。
これからも、私は自分の嗅覚を頼りに、気ままに進んでいくことでしょう。
生まれながらの自閉症スペクトラム障害が診断されたことは、私のこの生き方を後押ししてくれるものです。
障害があるから気ままなのか、気ままに生きてきたから障害が気にならなかったのか。
おそらく、後者だと思います。
もう50代ですが、己を正しく知ることで、これからも進むべき方向を見誤ることなく進んで行くのです。