今日は離婚した元夫と私の話をします。
私たち夫婦は別姓で事実婚でした。
互いの姓を尊重し、どちらかがどちらかの姓に合わせて吸収されることは本意でないと考えたからです。
一旦、婚姻届けを出してみましたが、やはり二人の共通の価値観とは違うという結論に至り、離婚届を提出することで互いの姓を尊重し合うことにしたのです。
何事もやってみなければわかりませんから、一時私が夫の姓を名乗っていましたが、それは二人の共通の価値観に合うものではなかったのです。
元夫の姓は少し珍しい姓で、一度で正しく呼ばれることはなく、私にはかなりのストレスでしたね。
事実婚と単なる同棲はどう違うのか?
私と元夫はこう考えていました。
二人の覚悟と絆の違いです。
届けは出していなくても、寄り添い合って生きる気持ちは法律婚のカップルと何ら違うものではなかったのです。
また、住民票には「夫(未届)」「妻(未届)」と書いてもらえることをご存知でしょうか?
私と元夫は住民票の記載をこのようなものにしていました。
元夫とは大学生の頃に知り合い、卒業後に結婚しました。
出会った頃から何でも話せて、価値観が合う人だなと考えてはいましたが、私は結婚については積極的ではありませんでした。
それは何故かと言うと、結婚すればどちらかが姓を変えなければならないという現実があったからです。
多くの日本人は結婚する時、女性が改姓しますね。
私はそれには大変抵抗がありました。
なぜ女性が改姓するのでしょう?
私は男尊女卑、或いは家父長制度の名残があり、個人を尊重しない価値観が蔓延っているからだと考えていました。
個人を尊重しない家単位での家族制度的な考えの名残には、抵抗があったのです。
それに、そもそも私は母方の姓を名乗っています。
私の両親が結婚したのは昭和30年代ですが、父の方が母方の姓に改姓して結婚しています。
ですから、結婚=女性の改正といった価値観は受け入れられるものではありませんでした。
元夫も私の意見に賛同してくれました。
元夫の方が過激でしたね。
婚姻届けなどは出さなくても良い、二人で生きていけば良いと言ってくれました。
私は、この人しかいないと確信したので、周囲の人、互いの親類には共に暮らすパートナーだと紹介だけして”結婚生活”をスタートさせました。
結婚式も挙げていません。
元夫も私も、スタンダードな結婚の真逆を行きたかったのです。
子供も持ちませんでした。
多くの方には、それのどこが結婚生活なのかと疑問に思われそうですが、結婚とは両性の合意があれば良いのですよ。
いろんな結婚があっていいと思いますよ。
夫婦別姓は今の日本では法律婚としてまだ認められていませんが、これはとんでもないことです。
別姓だろうと同姓だろうと、互いが互いの利益を損ねるものではありません。
夫婦別姓を認めるか否かという議論を見ていると、夫婦別姓に反対する方の中には、自分がやりたくないことは相手にもさせないという、狭量な価値観があるようにも思われます。
選択肢が増えることで何か困るのでしょうか?
このような狭量な価値観は、日本国が傾く理由の一つになっているようで残念でなりません。
日本国の高齢化、少子化は深刻です。
結婚の入り口を広げ、これまで躊躇していた人々が結婚に向かい、伸び伸びと子供を生み育てられる社会を作る方法の一つに、夫婦別姓を法律で認めることもあるのではないでしょうか。
私も夫婦別姓が法律で認められていたら、子供を持っていたかも知れません。
その後、私と元夫は離婚しましたが、夫婦別姓だから不仲だったのではありません。
寧ろ夫婦同姓でいても、不仲になったり、互いが互いを裏切ったりして離婚する人々は少なくないですよね。
夫婦別姓に対する反対意見の中には、絆が弱いというものもありますが、同姓でも絆は切れる時は切れます。
夫婦同姓しか認められていない日本において、離婚の数は何十万件もあります。
同姓で絆が保証されるのであれば、こんなに離婚件数は多くないと思いませんか?
今の私は離婚して独身に戻りました。
残りの人生で結婚しないと決めている訳ではありません。
次はどんな結婚にするかも決めてもいません。
お相手の人次第ですね。
もしかしたら、次に夫になってくれる人の姓を選択するかも知れません。
しかし、上述したようにいろんな結婚があっていいのです。
夫婦”別姓”も、夫婦”同性”もあっていいと思いませんか?
夫婦”別性”と夫婦”同姓”に、夫婦”別姓”と夫婦”同性”が加わってもいいと思いいませんか?