本編の前にお知らせです。
「とまとの呟き」の姉妹版・小説を書いています。
新しい作品「六十年後の未来に来てみたけれど」を公開しています。
今は第四話の公開を始めました。
話の展開がわかりやすくなるように、主な登場人物の解説つきです。
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よろしくお願いします。
tomatoma-tomato77.hatenablog.jp
~ここから本編~
今日、家でお昼ご飯を食べながらワイドショーを見ていました。
手っ取り早く世の中の様子を知ることができますよね。
ワイドショーでは次の選挙の日程が決まりそうと伝えられていました。
なるほど、なかなかせわしい日程になりそうですが、今回も私は必ず投票に行きます。
大いに自慢したいところですが、私は選挙権を得てから棄権したことは一度もありません。
貴重な権利の行使を棄権するなど、以ての外です。
政治や選挙に対する考え方は、死んだ父から影響を受けました。
父は早くに自分の父親を亡くし、年の離れた兄弟の下で成長した不遇な育ちです。
不遇な人間ほど政治に関心を持つのではないでしょうか。
経済的に恵まれていたり不自由を感じず生活していれば、政治に対してあまり不満は持たないのかも知れません。
ですから、政治に関心を持たない人が多い国は幸せなのかも知れません。
今の日本が正にそうですよね。
しかし、本当にそれでいいのでしょうか。
人間はお腹いっぱい食べることができて、給料が上がればそれだけで満たされる訳ではありません。
逆に言えば、お腹いっぱい食べて十分な給料をもらえても、そこで止まってしまうのではなく更に成熟した幸福を追求するのが先進国ではないでしょうか。
私は政治にはマイノリティーも大切にすることを求めています。
大きな目標、外交や経済なども大事ですが、大きな目標は小さな存在を大切にすることで達成されるのだと考えています。
上述したように私の政治に対する考え方は、父に影響を受けています。
父は不遇だったからこそ、政治に関心を持っていました。
父こそがマイノリティーだからです。
早くに自分の父を亡くして兄弟の世話になったり、昭和三十年代に結婚した時に母方の姓に改姓したり、そしておそらく発達障害を抱えていたのでしょう。生きづらさの塊のような人でした。
こういう人間を幸せにできなければ、大きな目標は達成できない。
私はそう考えています。
大きな政策は小さな一歩を大切にすることから始まると考えています。
こうした考えは父から受け継ぎましたが、どうやら母もそのようです。
母は父とは真逆、恵まれた育ちです。
豊かな漁師町に生まれ穏やかに暮らし、実家の意向で結婚時に自分の姓は変えず、元々は難しいことは考えない人間でしたが、父から影響は受けたようでした。
現状に満足し切らず、問題意識を持ち、小さなことも大切にする。
私たち一家は父のこのような考え方に影響を受けてきました。
こうして育った私は、もったいなくて選挙を棄権するということがどうしてもできません。
選挙はいつあっても構いません。
私の考え方は変わることはありませんから、いつが投票日になろうが一票は必ず投じます。
政治は遠いところで行われていると考えがちですが、回り回って自分の生活にも関わってきます。
自分の貴重な権利を放棄してはならないのです。