シンプルな結婚

本編の前にお知らせです。

「とまとの呟き」の姉妹版・小説を書いています。

新しい作品「六十年後の未来に来てみたけれど」を公開しています。

今は第二十一話めを公開中です。

連載形式ですが、途中からでも、一話ずつでも読めますよ。

話の展開がわかりやすくなるように、主な登場人物の解説つきです。

下のバナー「とまと文学部」の文字をクリックすると、小説のページに飛べますよ。

よろしくお願いします。

tomatoma-tomato77.hatenablog.jp

~ここから本編~

今日のワイドショーで高貴な方のご結婚の話題を取り上げていました。

この話題についてはネット上などでも様々な意見が飛び交っています。

 

私はそう大騒ぎすることでもないと思います。

婚姻は両性の合意にて成り立つ。

これ以外の何ものでもありません。

 

しかしながら、いろいろな意見や問題点があるということで儀式は行わず、シンプルな形での結婚になったようですが、これも良いことではないかと思います。

婚姻は両性の合意があれば良いのですから、そっとしておいてあげたいですね。

儀式を行わないことで異例とのことですが、寧ろ新しい結婚の形でそれはそれで良いのではないでしょうか。

 

この話題を見ていて、私は自分のことを思い出していました。

私と元夫も結婚式は挙げませんでした。

 

何と言うか、結婚式というものは教会式などがそうですが、新婦がバージンロードを歩き、父親から新郎に新婦を引き渡すようなセレモニーがありますよね。

あれ、気になりましたね。

私という人間が実家から新郎の元に受け渡されるようで、何か物のように扱われるようで気になりました。

ですから、セレモニーは不要。

そう考えて結婚式は挙げませんでした。

一時、流行りましたよね。

ジミ婚という言葉がありましたね。

私と元夫はそれを実践した訳です。

セレモニーはなくても私たちは夫婦。

そう考えていました。

 

そうは言っても、身内には知らせる方法を考える必要がありました。

 

私と元夫はテレホンカードを作って配りましたね。

私と元夫が結婚したのは30年近く前のことで、当時はまだ携帯電話は普及していませんでした。

そこで、二人で撮った写真をプリントしたテレホンカードを作り、身内に配りました。

 

私と元夫は周囲には一切交際を公にしていなかったので、驚かれましたね。

周囲に交際を明らかにしていなかったのは、あれやこれやと横槍を入れられたくなかったからです。

 

結婚はこうあるべき、これはこうあるべき、それはこうあるべき。

こういう既成の価値観に煩わせられたくなかったのです。

 

そう考えると一介の平民の私と元夫は自由でした。

今日、ワイドショーの話題になっていた高貴な方もそのお相手の方も、そういう意味では大変ですよね。

結婚はシンプルでいいのですよ。

 

その後、私と元夫は別れてしまいましたが、この人と一緒に暮らしたことに悔いはありません。

少し前に業務的な連絡の必要があり電話してみましたが、普通に話せましたね。

元夫、元気そうで良かったです。

 

不仲になったとか憎み合ったとかではなく、発展的なコンビの解消を目指して袂を分かつことになったので、今でも普通に話せますね。

 

次に機会があれば、また別の人と結婚するかもしれません。

その時もシンプルな結婚がいいですね。

外野の声が届かない、そんなシンプルな結婚がいいですね。