おとぎの国はどこに行く?Part8

本編の前にお知らせです。

「とまとの呟き」の姉妹版・小説を書いています。

新しい作品「六十年後の未来に来てみたけれど」を公開しています。

今日から第三十三話めを公開しています。

連載形式ですが、途中からでも、一話ずつでも読めますよ。

話の展開がわかりやすくなるように、主な登場人物の解説つきです。

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よろしくお願いします。

tomatoma-tomato77.hatenablog.jp

~ここから本編~

久々のおとぎの国の物語です。

前回、Part7は8月5日にこのテーマで記事を書いていました。

 

あるところにおとぎの国がありました。

小さくても、平和で豊かなおとぎの国。

問題があるとすれば、平和が続き過ぎて、その本当の価値を知らずに享楽だけを貪る国民が増えたことでしょうか。

もう一つの問題は、どういう訳か若者の数が減っていることでした。

 

おとぎの国の王様はなぜか戦争がしたいらしいのですが、国民は危機感もなくお花畑の状態なのです。

まさか、そんなことはある訳がない。

おとぎの国の国民は高を括っていました。

 

本当にそれで良いのでしょうか。

国民が能天気では、為政者はしばしば暴走します。

 

王様は国民を争いごとに巻き込みたくて仕方がないようです。

そこで王様は考えました。

国民に戦争に参加する義務を課そうと。

 

おとぎの国はずいぶん昔もこうでした。

若者を徴用し戦争に参加させていたのです。

 

王様はこう考えていました。

今度こそは勝つと。

 

ずいぶん昔のことですが、おとぎの国は戦争をしていました。

しかし、おとぎの国は戦争に敗けたのです。

王様はそれが面白くありませんでした。

今度こそは勝つ。

それは王様の野望だったのです。

 

そこで、王様は昔のように国民を徴用しようと考えていますが、実は大きな問題があります。

兵士になる若者が減っているのです。

昔昔、おとぎの国が戦争をしていた頃よりも若者の人数が減り、今後も増える見通しは立っていません。

生まれる子供がどんどんいなくなっていたのです。

 

では、どうすれば良いか。

王様はまた考えました。

中高年、老年の者も徴用すれば良いのだ。

 

こうして、おとぎの国軍は老兵ばかりの軍隊となりました。

 

このような国は他になく、物笑いの種となり、どこの国からも相手にされませんでした。

しかし、王様は世界の皇帝になりたかったのです。

老兵ばかりの軍隊で世界を征服する。

なんという馬鹿馬鹿しい野望でしょうか。

 

そして、ある日のことです。

世界的にも地震が多発する地盤の上にあったおとぎの国を、大地震が襲います。

都は壊滅し、老兵ばかりの軍では災害現場に派遣しても役には立ちませんでした。

 

王様は上ばかり見て、自分の足元を見ていなかったのです。

自分の足元を見つめ直せとはこのことですね。

 

世界の皇帝になりたかった王様は野望に燃え、老年者までも徴用しましたが、大きな自然災害に見舞われて呆気なく自滅したのです。

 

おとぎの国は戦争どころではありませんでした。

若者は希望が持てず、子供を持つことを躊躇し、そして若者は減り、高齢者ばかりが増える。

 

それでも戦争をしようとした王様は老兵ばかりを集めましたが、戦争以前の問題でどこの国からも相手にされませんでした。

 

そして最後は大地震がおとぎの国を襲ったのです。

おとぎの国は内部から崩れてしまいました。

 

王様に必要なことは争いごとを目論むことではなく、己の国の問題を解決することだったのです。

国民が希望を持てず、未来を作れない国づくりは文字通り足元から崩れる結果となりました。

 

おとぎの国はどこに行くのでしょう?