本編の前にご案内です。
このブログ「とまとの呟き」の姉妹版、小説も公開しています。
最新作の更新は毎週日曜日の夕方以降です。
「とまと文学部」では新作の『アンドロイドの楽園』という作品を書いています。
下のバナーをクリックで物語が読めますよ。
バナーのリンクは第一話めですが、パソコン版、スマホ版ともにページの一番下に二話め以降のタイトルが出ています。
そこをクリックで二話め以降が読めますよ。
よろしくお願いします。
tomatoma-tomato77.hatenablog.jp
写真はイメージです。
少し前にひな祭りが終わりましたね。
ひな祭り、あまりいいイメージがありません。
死んだ父が私にバカでかい七段飾りのひな人形を買ってくれたのですが、迷惑以外の何ものでもなかったですね。
七段飾りのバカでかいひな人形。
それに見合うだけの裕福な家庭ならいいのですが、私が生まれ育った家庭は貧しくはっきり言って下層階級でした。
そんな家庭に七段飾りのひな人形。
なんだか変ですよね。
似つかわしくないです。
七段飾りのひな人形は父の夢だったのです。
女の子が生まれればひな人形、男の子が生まれれば鯉のぼり。
これが父の夢で、弟には鯉のぼりを買い与えています。
しかし、ひな人形は飾るのも大変ですし、父の自己満足に付き合わされて迷惑でした。
父、変な人だったんですよね。
家族に重きを置き過ぎる人でした。
自身が父親を早くに亡くし、昔の話ですから歳が離れた兄弟に育てられたのでそうだったのだと思います。
自分が家族を作ることに憧れのようなものがあったのでしょう。
そんな父が私は気持ち悪かったですね。
家族に重きを置いていたくせに、父は自分の家族を幸せにしていませんでしたから。
私には発達障害、自閉症スペクトラム障害がありますが、そもそも父が発達障害だったと思うんですよね。
人とのコミュニケーションが苦手、独善的、自分のこだわりは譲らない。
典型的な発達障害者でした。
ですから、仕事が上手くいかず私たち家族は貧しかったのです。
それなのに、いきなりひな人形。
バランスが悪すぎます。
気持ち悪いですね。
父は貧しく侘しい生い立ちなので自分の家族に憧れ、夢を抱き、重要だと考えていたのでしょう。
しかし、実態は私と母は折り合いが悪く(母も発達障害だと思います)父は父で思い込みが激しくて家族はバラバラでしたね。
それでも、家族に夢を描く父の心の中では家族は尊く、うまくいっていると思い込んでいたのでしょう。
そういう偽善、実態のない幻。
私は嫌気が差していました。
ですから、私は結婚せず家族を持たないと決めていたんですよね。
元夫と結婚できたのは、家族ではなくカップルでいたいという私の考えを理解してもらえたからです。
実態のない家族に幸せを見出そうとしていた父の勝手な思い込みが、私はとにかく迷惑でした。
父の口癖は『家族とは何か』でした。
つまり、家族はこの上なく尊いもので美しく最も大切なものである。
こういうことを言いたかったのでしょうが、とんでもないですね。
互いがバラバラ、発達障害者同士で機能していない関係、金銭的に苦しい生活。
これのどこが幸せな家族なのでしょう。
嘘っぱちもいいところですね。
実態のない幻を追いかけるほど愚かなことはないのです。
今でも私は家族なんていらないと考えています。
家より個人ですね。
これは絶対に譲れません。