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tomatoma-tomato77.hatenablog.jp
写真はイメージです。
北海道の夏は短いのでそろそろラストスパートでしょうか。
お盆を過ぎると秋めいてきます。
私が幼い頃、小学校に入る前くらいまでは毎年、夏になると母方の実家に行っていました。
親戚付き合いは母方の方が盛んでしたね。
父方は父の父が早くに死んでいたり、父と母が結婚する時に父が母方の姓に改姓したり、父が八人兄弟の七人目ということもあり母方ほど交流が盛んではなかったのです。
母方の実家は北海道の昆布の名産地にあり、漁師の家庭でした。
夏に遊びに行っていたのは私と弟の顔を祖父母に見せるためだけではなく、その漁を手伝うためでもあったようです。
大人は昆布漁に忙しくても、子供は真っ黒に日焼けして浜を走り回って遊びに夢中でした。
夜になれば母方の実家に集まってわいわいしながら夕食を食べたりしていましたね。
なぜか今でも覚えているのは父とお風呂に入った時のことです。
父は昆布漁で昆布の根元を切り落とす時に鎌で手を切って怪我をしていたのですが、そこにテープを巻き指サックをかぶせて幼かった私とお風呂に入ったことがありました。
その他にも午後からだったと思うのですが、従兄弟たちと昼寝をしたり、近所の駄菓子屋さんにオヤツを買いにいったり、虫取りをしたり、近くの川に弟が落ちて流され大人に助けてもらったり。
とても内容の濃い毎日だったような気がします。
しかし、あれは何日間のできごとだったのでしょう?
おそらくお盆の時期だったと思いますが、昔の話なので父も母も今のような長い夏休みは取れなかったと思うんですよね。
8月13日ころから15日くらいまでのことではなかったのでしょうか?
三日間くらいですね。
短いです。
記憶に残っている内容の濃い毎日にしては短いですね。
子供だったのでたった三日間のことでも長く感じて、それをそのまま記憶しているのだと思います。
あの夏の日は何日間のことだったのでしょう?
母方の実家は祖父母、伯父夫婦も亡くなり、従兄弟たちは独立してもう地元にはいません。
父も死にましたし、母は高齢でもう遠くまでは行けません。
母方の実家は消滅しました。
一昨年、ふらっと母方の実家があった町に行ってみましたが、町は静かで通行人にすら会いませんでした。
町は昔のままでしたが、人が減ったんですね。
もうあの頃の夏には戻れません。
それでも海は変わらないですね。
ふらっと行った時に眺めた浜の様子は昔と同じでした。
あの夏の日は何日間のことだったのでしょう?
わからないままですが、いつまで経っても私の大切な思い出です。