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写真はイメージです。
夏真っ盛りですよね。
毎日毎日、暑いです。
それでも、北海道の夏は短いので何だかんだ言って楽しんでいます。
夏休み、私の心に今でも残っているのは母方の実家で過ごした日々のことですね。
母方の実家は北海道の小さな小さな漁師町にありました。
昆布の名産地で夏になると漁を手伝いに行っていたのです。
漁を手伝うのを兼ねて、祖父母に私と弟の顔を見せに行っていたのでしょう。
その小さな漁師町では、町内総出で昆布漁をしていました。
昔にありがちな、旗が出るとその日は漁があるという合図が朝になると出ていたのです。
確か役場に旗が上がっていたと思います。
普段は漁とは全く関係のない仕事をしていた私の両親も昆布漁を手伝っていました。
母は実家ですからわかっていましたが、父は不慣れな仕事にまごまごしていましたね。
それでも、父は函館の出身です。
私のルーツは海にあるのです。
大人たちが昆布漁をしている間は、私たち子供は浜で遊んでいました。
真っ黒に日焼けしてお昼になると、漁の網に引っ掛かった魚を焼いてもらったりしていましたね。
このように大人は昆布漁に忙しくても、子供たちは天真爛漫で漁が終わって母方の実家に皆で戻ってからも夏を満喫していました。
昼寝をしたり、近所にあった駄菓子屋に行ったり、母方の実家のすぐそばに川があったのでそこで遊んだり。
あの夏の日々はいったい何日くらいの出来事だったのでしょう。
昔の話なので私の両親が仕事を休んで昆布漁を手伝いに行っていたといっても、2、3日くらいのことだったのではないかと思うんですよね。
子供でしたから大人とは時間の流れに対する感覚が違いますよね。
大人にとってはほんの2、3日でも、子供にとっては長く感じて中身も濃いものとして感じ取れるものでした。
ほんの2、3日でも幼かった私にはもっと長い時間だったように感じていたと思います。
浜で従兄弟たちと思う存分遊び、夜にはカレーライスを作ってもらって大喜びで食べたり。
去年の秋、その漁師町にふらりと行ってみました。
何も変わっていませんでしたね。
静かに静かに時が流れていました。
私は札幌生まれの札幌育ち。
今も札幌に住んでいます。
だからこそ、母方の実家があった小さな漁師町にはロマンのようなものを感じますね。
母方の実家にはもう誰もいません。
伯父も伯母も祖父母も亡くなり、従兄弟たちは都会で暮らしています。
それでも、去年行った時は町は昔のままでした。
小さな漁師町の夏は永遠ですね。