おとぎの国はどこに行く?Part5

今日も、おとぎの国はどこに行く?シリーズです。

早いもので、このシリーズも今日でPart5となります。

それでは始めましょう。

 

おとぎの国はどこに向かうのでしょう?

 

おとぎの国の人口の割合はかなり独特です。

特権階級である長老世代が多数派を占め、それを支える勤労世代、若者の割合は長老世代よりずっと少ないのです。

 

特権階級である長老世代は、労働階級の若者世代が納めた労働税が財源の虎の子で生活を成り立たせているのです。

しかし、長老世代が多数を占めるのですから、その生活を支える若者の労働税の負担は重く、若者世代は自分たちの生活を犠牲にして働かされていました。

 

ある時、国を危機が襲いました。

王様はこの危機に立ち向かうために様々な政策を打ち出しました。

 

その一環として、王様は長老階級の者どもを安全な場所に優先的に避難させ始めました。

長老階級の避難の予算も若者が納める労働税から出され、足りないぶんは増税で賄われました。

 

優先的に避難することを許された長老階級と、避難を後回しにされ重い税負担を強いられる若者世代。

馬齢を重ねただけの長老世代の尻拭いをさせられ、働いても働いても生活が豊かになることはなく、若者の不満は爆発寸前でした。

若者世代は結婚することも儘ならず、子供を持つことも困難でした。

このような状況で、若い世代の人口は急激に減り始めました。

 

自分たちの生活を支えてくれる若者世代が苦しもうが、長老世代は若者に労働税を納めさせ、自分たちの特権的な生活を維持しようとしていましたが、急激に減っていく若者世代が長老世代を支えることは不可能な状態に近づいていきました。

 

こうして、働くこともできず若者世代に負担を強いる長老世代ばかりが増え、最後にはその生活を支える者がいなくなってしまいました。

 

若者が消え、長老ばかりになったおとぎの国はどこに行くのでしょう?

 

そして、おとぎの国には他にも問題がありました。

 

アホ侍の存在です。

 

金儲け至上主義のアホ侍は、花の都を出て西隣の都に金儲けの旅に出発しようとしていました。

しかし、花の都では流行り病が蔓延し、都から出ようとするアホ侍に対し眉を顰める者も少なくありませんでした。

 

それでも金儲けを決行しようとするアホ侍は、忠告にも馬耳東風で金儲けのために西の都に出発してしまったのです。

 

これにはアホ侍の取り巻きの間でも批判が出ましたが、アホ侍が我が身を省みることはありませんでした。

 

こうして西の都に向かって金儲けの旅に出たアホ侍は西の都に到着すると、いつもの宴会芸を披露し始めました。

多くの取り巻きが集まり、アホ侍に拍手喝采を送りました。

 

さあ、金儲けのことしか考えないアホ侍だけが悪いことをしているのでしょうか?

流行り病が蔓延する花の都から、押し切るように西の都にやって来たアホ侍だけが悪いことをしているのでしょうか?

 

そうではないのです。

アホ侍が金儲けのため宴会芸を披露する場にわざわざやって来て、拍手喝采を送る者どももどうかしていますね。

 

流行り病が蔓延する花の都から出てはならない、金儲けのことだけを考えて宴会芸を披露している場合ではないと忠告しなければなりません。

本当にアホ侍のことを思うのであれば、流行り病が蔓延する花の都から出てはならない、今は金儲けの時ではないと忠告しなければならなかったのです。

 

アホ侍の宴会芸を見たいという一時の欲望に流され、流行り病が蔓延する花の都から出ることを許し、結果的に西の都に病原体を持ち込ませてしまった者どもの責任は重いのです。

アホ侍の取り巻きたちは、本当の意味でアホ侍を尊敬もしていませんし、愛してもいないのです。

あるのは、ただ甘えと欲望なのです。

 

一番惨めなのはアホ侍ですね。

このような武士がいるおとぎの国はどこに行くのでしょう?