カルピスは好きですか?
私は大好きです。
先週の今頃は、カルピスが飲みたくて飲みたくて仕方ありませんでした。
しかし、大腸内視鏡検診の前だったこともあり、カルピスが飲みたくても我慢していました。
厳密に言うと、カルピスが禁止なのかはわかりませんでしたが、乳製品、牛乳やヨーグルトは検診前に飲み食いしてはいけないことになっていて、カルピスも控えた方がよいかなと思っていたのです。
乳製品、牛乳やヨーグルトが禁止な理由は、大腸の内側に付着して検診が正確に行えないからなのです。
そう考えると、カルピスも乳製品に準ずるような気がして控えていました。
月曜日に無事に検診を終え、ブログを書きながら何か飲もうと思い、今日は冷蔵庫から迷わずカルピスを取り出しました。
好きなものを自由に飲んだり食べたりできるのって幸せですよね。
カルピスは私が幼い頃は憧れでした。
今では見かけなくなった茶色いガラスの瓶に、原液が入れられたものが主流でしたね。
濃い原液を水で割って飲むのが当たり前でしたから、幼い頃の私は母にねだってカルピスを作ってもらっていました。
瓶からコップに原液を注ぎ、水道の水で割る。
ただこれだけのことでも、幼かった私には難しいことでした。
水道の水で割るというのも、時代を感じます。
現代のように、ミネラルウォーターが一般的に売られている時代ではなかったので、カルピスを作ってもらうのは水道の水でした。
幼かった私が母にねだって、水道の水で割って作ってもらっていたカルピス。
現代では、水で割ったカルピスがペットボトルに入れられて売られていますが、私にとっては隔世の感があります。
そう考えると、ほとんどの物は時代と共に移り変わっています。
例えば銭湯。
以前も書きましたが、私は小学生になるまで毎日のように銭湯に通う生活をしていました。
昔の話ですから、家にお風呂がなかったのです。
銭湯での楽しみと言えば、お風呂上りにアイスクリームを食べたり、ジュースを飲んだりすることだとは思いますが、私は一度も買ってもらったことがありません。
私が生まれ育った家庭は貧しく、経済的に苦しい環境でした。
一円でも惜しい環境でしたから、出かけた先で飲み物や食べ物を買ってもらったことはなかったのです。
経済的な事情もあったのでしょうが、安易に出先で飲み食いしないようにという躾の意味もあったようです。
このような環境でしたから、銭湯から帰って家でカルピスを飲むのが楽しみでしたね。
茶色いガラスの瓶から原液がコップに入れられ、水道の水を注いでもらい、よく混ぜて出来上がり。
貧しかったからこそ、ささやかなことが大きな楽しみでもありました。
今では手軽にペットボトルに入ったカルピスを買い求めることができますが、茶色いガラスの瓶に入った原液を水道の水で割って飲むスタイルに、懐かしさ以上の心が温かくなる感覚が抜けきれません。
貧しく、不便だったことほど、心の中に残るものですよね。
便利で手軽に欲しいものが手に入るようになればなるほど、欲が肥大化し満たされなくなりがちです。
カルピスの茶色いガラス瓶に、足ることを知る心がいっぱいに詰まっていたような気がします。