本編の前にお知らせです。
「とまとの呟き」の姉妹版・小説を書いています。
新しい作品「六十年後の未来に来てみたけれど」を公開しています。
今日から第四十一話めを公開しています。
連載形式ですが、途中からでも、一話ずつでも読めますよ。
話の展開がわかりやすくなるように、主な登場人物の解説つきです。
下のバナー「とまと文学部」の文字をクリックすると、小説のページに飛べますよ。
よろしくお願いします。
tomatoma-tomato77.hatenablog.jp
~ここから本編~
今日はラーメンを食べていました。
ラーメンが好きなんですよね。
離婚して一人になってから料理は全くしていません。
ですからラーメンといってもコンビニのものを買ってきて、レンジでチンしてすするだけです。
それでも温まりますよね。
これからの季節、ラーメンがますます恋しくなります。
ラーメンといえば、家出していた頃に友達の家に居候していた思い出が浮かびますね。
私は大学の四年生の時に家出して、そのまま帰らずに卒業しました。
今は母と絶縁していますが、当時も折り合いが悪く、些細なことで喧嘩をしてそのまま家を出ました。
住むところもなく、当時一番仲良くしていた友達の家に居候していたのです。
その友達は実家を離れ、同じ大学に通う弟と住んでいました。
なかなか広いマンションに住んでいたので置いてもらえたんですよね。
居候していたのは十日間くらいの間でした。
私も住むアパートが決まったので友達の家を出たのですが、居候していた十日間の間、ラーメンの出前を取ったこともあり、ラーメンといえば、この居候の頃、家出して自活を始めた頃のことを思い出します。
家出生活、楽しかったですよ。
そもそも私は幼い頃から、家庭が鬱陶しかったのです。
よく勉強する良い子であることを求められ、かと言って報われず、いつも家を出たいと考えていました。
家出することでそれが叶ったのですから、水を得た魚のようなものでしたね。
仲のいい友達との共同生活も楽しかったですし。
友達と二人ですすったラーメンの味は忘れられませんね。
ラーメンといえば、インスタントラーメンも思い浮かびますが、私の父の唯一の得意料理がインスタントラーメンでした。
得意料理がインスタントラーメン。
なんだか情けない話ではありませんか。
それは果たして料理と言えるのでしょうか?
現代では考えられないことですが、私の両親世代は男は家庭のことはするものではないという、おかしな価値観を持っていました。
私の両親は1930年代に生まれ、80代です。
父は早くに病死しましたが、母はもう90歳近いですね。
男は家庭のことはするものではない。
なんというナンセンスな考え方でしょう。
今、こんなことを言う男がいたら、家から放り出されますね。
母もフルタイムで働いていましたが、家事を一手に引き受けていました。
あり得ませんね。
そんな中で父の唯一の得意料理はインスタントラーメン。
幼い頃の私は”お父さんはラーメンしか作れないの”と他人様に言っていたくらいです。
ラーメンといえば、友達との楽しい共同生活、若かった父が唯一作れた”料理”のことを思い出します。
とは言え何だかんだ、ラーメンは身も心も温めてくれますよね。
みそ、塩、しょうゆ。とんこつなどもありますね。
夏の間の冷やし中華よりは、寒い季節に温めてくれるあったかいラーメンが大好きです。