本編の前にお知らせです。
「とまとの呟き」の姉妹版・小説を書いています。
新しい作品「六十年後の未来に来てみたけれど」を公開しています。
今は第五十話めを公開しています。
連載形式ですが、途中からでも、一話ずつでも読めますよ。
話の展開がわかりやすくなるように、主な登場人物の解説つきです。
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よろしくお願いします。
tomatoma-tomato77.hatenablog.jp
~ここから本編~
最近、ますます陽が短くなってきました。
陽が短くなり暗い時間が長くなってくると、なにやらセンチメンタルな気持ちになります。
センチメンタルといえば、昔の思い出ですよね。
昭和の頃を思い出していました。
私は1960年代生まれ、がっつり昭和の世代です。
最近の私は、銭湯やスーパー銭湯に行くことが多いです。
銭湯とは現代ではレジャーのようなものですが、昭和の時代、家にお風呂がなかった時代では銭湯は日常生活そのものでした。
今のスーパー銭湯のような娯楽の要素はほぼなく、生活の一部でしたね。
昭和の頃の住宅って、お風呂など水回りが貧しかったんですよね。
トイレも汲み取り、所謂ぼっとんトイレでしたし。
穴が大きいので落っこちていかないように、私が住んでいた家では掴まるための棒を取りつけていました。
私が小学校に入った時に、建て替えてある新しい校舎とは別に、建て替えられていない古い校舎もあったのですが、古い校舎のトイレは立派なぼっとんトイレで”幽霊便所”と呼ばれていたくらいみすぼらしく不気味ささえ漂っていました。
このように、現代とは比べものにならないくらい古ぼけた感じの昭和ですが、私は今でも懐かしく大好きな時代ですね。
Twitterなどを見ていると、昭和世代は年寄り世代のようにも扱われているという投稿を見かけましたが、昭和ってそんなに昔ですか?
私には銭湯もぼっとんトイレも、つい昨日のことのように思えるんですけどね。
昭和の娯楽は今のようにネットはないので、映画かテレビでしたね。
テレビもリモコンで操作するものではなく、手動でチャンネルを変えるものでしたが、スイッチのつまみが外れやすかったり、テレビ局の不具合なのか『しばらくお待ちください』の表示が出て番組がよく中断したり。
テレビの『しばらくお待ちください』
覚えてる方、いますでしょうか?
昔のテレビって、故障なのか、テレビ局の不具合なのか、番組が中断することってありましたよね。
テレビを見れば不具合で番組が中断したり、冬の寒い時でも銭湯に行かなければならなかったり、トイレはトイレと言うより”便所”だったり。
不便の連続でしたが、なぜか暖かみのようなものを感じますね。
人間はちょっと不便なくらいでいいんですよね。
昭和の頃より便利なはずの現代の方が、もっともっとと欲望が際限なく、その結果、幸福に対する感度が鈍くなっているような気がします。
銭湯やぼっとんトイレ以外にも、ペットボトルではなくガラスの瓶に入ったジュース、白黒テレビ、ダイヤル式の黒電話、などなど昭和アイテムは今の若い人には新鮮なようです。
若い人を引き付ける何かがあるんでしょうね。
懐かしい物の中にある、のんびり、ほのぼのした本質が支持されているのではないでしょうか。
また、番台のある銭湯に行きたいような気がします。
頭にすっぽりかぶる、お釜のようなドライヤーがあったり。
戻りたいとまでは思いませんが、ずっと消えることのない昭和の心。
いつまでも大事にしたいですね。