本編の前にご案内です。
この「とまとの呟き」の姉妹版で小説を書いています。
タイトルは『アンドロイドの楽園』といいます。
下のバナーをクリックで小説のページに飛べますよ。
よろしくお願いします。
tomatoma-tomato77.hatenablog.jp
私には自閉症スペクトラム障害という障害があります。
いわゆる発達障害ですね。
これは、ある程度遺伝とも言われているようです。
そうですね、私の両親はともに発達障害です。
昔の人間なので正しく診断されていないだけですね。
死んだ父は明らかに発達障害です。
娘としてずっと傍にいたからわかります。
こだわりが強い、自分の意見だけが正しいと思い込みが激しい、周りの人とコミュニケーションが取れない、相手の気持ちがわからない。
これ、全部父に当てはまります。
こだわりが強いのは父と母が結婚する前から既にそうだったようです。
父と母の青春時代は昭和30年代。
映画が娯楽の中心だった時代ですが、ある時、父は母が友人と映画館に入っていくのを見かけ、母が映画館から出てくるまでの4時間あまり、ずっと外で待っていたということがあったそうです。
はっきり言って気持ち悪いですね。
それなら、自分も映画館に入るとか母と友人に声をかけるとかしませんか?
現代ならストーカーですね。
父は仕事が長続きしない人でした。
私が生まれてからも職を転々としていたのです。
例えば会議の時など、自分の意見が通らず不満を持っていたからだったと言っていましたね。
これも、発達障害があるからですね。
脳機能に障害があるために、発達障害がある人は他の一般的な人と物事を捉える視点が異なっています。
異なった視点からとんでもないことを口にしがちですね。
こんなことでは職場に馴染めるはずがありません。
こだわりが強いのもそうですね。
父は朝食は白いご飯に味噌汁以外は認めませんでした。
私たちがパンを食べていても、母に味噌汁を作らせ自分の意見を押し通していましたね。
母は介護の仕事をフルタイムでしていて、忙しかったのに毎朝味噌汁を作っていました。
おかしいですね。
忙しい母に自分のこだわりで毎朝味噌汁を作ることを強制する。
せっかくの味噌汁なのに、父が一杯しか飲まないので余り、捨てられていました。
おかしいですね。
まあ、母もどうかしているのですが。
母も発達障害ですから。
母はとにかく人の話を聞かないんですよね。
というより、人の話を理解できないようです。
知的レベルに問題があるのではないかと思うくらいです。
こういう二人が結婚したのは大間違いですね。
父の方が結婚にのめり込んでいたようです。
上述のように4時間も母のことを待ち続けていたり、母が言うには父と親しくなると、顔を合わせれば結婚してくれ、結婚してくれとしつこかったようですし。
最も結婚してはならなかった父、最も子供を作ってはならなかった父のような人間の夢が結婚して子供を持つことだったというのは、皮肉を通り越して笑い話ですね。
こんな二人ですから、低収入の仕事にしか就けず、私の家庭は貧困家庭でした。
いっそ、生活保護にでもお世話になればよかったんですよ。
一度だけそう言ったことがありましたが、父も母も烈火のごとく怒っていましたね。
障害者なのですから無理をしてしゃかりきになって働いても限界があるのに、己の姿すら見えていなかったようです。
そういう私も自閉症スペクトラム障害がありますが、両親ともに発達障害であったにしてはそう障害の程度は重度でもないような気がします。
障害の程度は両親よりは軽く、知的能力などは両親以上ですね。
弟もそうです。
二人とも鳶から生まれた鷹、鬼子なのかも知れません。
そうでもなければ、やってられませんね。
父はずいぶん前に病死しました。
未だ生きている母の悩みは、高齢になってもなかなか死ねないことです。
なんだか惨めですね。
あの二人、己を最後まで知ることができなかったところに悲劇があるんですよね。
私の私の親世代は発達障害という概念はありません。
二人とも1930年代の生まれです。
こういう世代が消えていくまで、残された時間はもうわずかなのです。